Build It Up - Tear It Down



似た者同士の恋愛だから、破綻のパターンも自ずと見える。

すなわち、飽き易いのもお互い様だ。


「飽きた、って顔してるね」


組み敷いた涼しい顔にそう言えば、にやりと笑う生意気な仕草が返る。

沈黙は肯定。
もしくは単に、否定する言葉さえ手間なのか。
どうだろうかと探る間も短く、唇が動くのを見た。


「見慣れたもんだな、とは思ってた」


あんたの素顔も。

そう続けて頬に触れてくるサスケの指先は、それはそれで魅力的。
とはいえ感じる色濃い惰性は色恋に飽きた者のそれ。
成程、やはり飽きているらしい。
おそらく同じ色を纏っているだろう俺をじっと見つめて、形の良い眉がぐいと寄る。


「似た者同士ってのも厄介だな」


厄介だねぇと返して、同時にため息。

付き合うこと数ヶ月、抱き合った数もとうに手指の数を越えた。
そして満を持したように来たるこの怠惰。

いわゆる、倦怠期。

飽き易いのは互いに承知で、習慣化していく恋愛に倦み、ついには習慣化したセックスに倦む。
欲望に流されなくなった忍らしい恋愛、と言ってしまえばそれまでだけれど。


「どうする?」


我ながらとぼけた質問。
腕を引いて、押し倒して、今更どうする、だなんて。

けれど見下ろす先の黒い両目はまたもにやりと笑って、どうするんだよと好戦的に応じてみせる。

分かっているんだ。
なにせ似た者同士。色恋に飽きた色濃い惰性まで、まるきり似た者同士。
よって破綻を避けるパターンもまた同じ。

冷めたのでなく倦んだのならば、試してみればいいだけのこと。

倦怠を殺せるか、愛を殺せるか。

求める解決まで、おそらく同じ。


「厄介だね」

「厄介だな」


似た者同士の本気の恋愛、だなんて。
どうやら終われる気配がない。

くちづけよりも噛みつく仕草で重なる唇。
きっと翌朝残るのは、倦怠と愛の戦いの痕。

背中の爪痕、鬱血痕、歯形に鈍痛。


すなわち、熱し易いのもお互い様だ。



Fin.




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